たつの市御津町にある皇子神社にて、鳥居の建て替えが完了しました。八幡型の鳥居、歩きやすくなった参道に合わせて

姫路市・たつの市・太子町・相生市を中心にお仕事をさせていただいています、八田(はった)石材の八田俊之です! 新年始めてのブログです。本年もどうぞよろしくお願いいたします!

今回は、たつの市御津町中島の皇子神社にて、鳥居の建て替えをさせていただきましたので、ご紹介します。

【施工前後のお写真】

今回お世話になったたつの市御津町にある皇子神社さんは、昨年5月に行われた神社の改修工事の際にお世話になった神社様です。当店は、神社の石工事と玉垣を新調させていただきました。

その際、「費用があれば鳥居も新しくしたいんだけど・・・」というお話しだったのですが、このたび氏子様方のご寄進等もあり費用を確保できたとのことで、本殿もきれいになったのに合わせて鳥居も新調されることになり、またお声かけいただくことができました。

※石工事と玉垣の新調の様子はこちらです →たつの市御津町中島の皇子神社にて、玉垣工事が完了しました

 

施工前の鳥居です。写真で見ると分かりにくいかもしれませんが、石が所々欠けてしまっていました。経年の風化の影響です。額もなく、古くなって強度的にも心配です。

また、正面の道路の高さ等を含めた鳥居の「バランスの悪さ」も気になっていらっしゃったようです。今回は、神社の参道が正面の道路より少し下がっているため、参道自体を高く上げて均一にし、より歩きやすくする工事も予定されていました。それに対して今のような横長で高さが低めの小さな鳥居では、なおさら低く感じてしまうということで、考えられた結果鳥居を新調されることになりました。ですので今回は、神社のご担当者様と、参道の工事を行う土木工事の業者さんも一緒に、鳥居の位置や高さ等をよく話し合って進めていきました。

それでは工事に入ります!

 

新しい鳥居の設置をしているところです。まずは以前の鳥居を取り除いて、土木工事の業者さんが参道の工事を進めていきました。正面の道路より低くならないよう高さを出し、均一で歩きやすい参道をコンクリートで作成します。鳥居の設置の際は、まずは地輪(じりん)といって、鳥居の柱を固定している台座部分を設置しますが、この参道の脇に地輪を設置して固めて、数日間養生します。

写真は、その後鳥居の組み上げが終わったところです。耐震ボンドをしっかり使用しながら組み上げていき、その接着が固まるまでまた数日待ちます。柱と地輪の間にある黒いものは楔です。

 

今回、鳥居の一番上の笠の部分は、ひとつもので作りました。以前のものはふたつの石を継いだものでしたが、ひとつもので作成した方が強度が上がります。以前鳥居を作ったときは、石が確保できなかったり、重い石を吊り上げる技術的な問題などがあったのかもしれませんね。

 

左の柱の裏側です。このように、建立年月日や寄進された方のお名前を入れています。

 

こちらは右側です。こちらもこのように寄進された方のお名前を入れています。多くの方のお気持ちで支えられている鳥居です。

地輪は、参道にこのような形で設置しています。きれいに接着が固まったあと、楔をとって目地を入れたら完成です。

 

完成しました! 八幡型の鳥居です。

このときはお正月前でしたので、村の自治会の方々がお正月に向けてお飾りなどの準備をされていました。

 

しめ縄飾りは、私どもで対応させていただくことの多い西播磨の地域でも色々なものがあり、地域によって様々です。私もこれまで色々と見てきましたが、今回のこのお飾りは初めて見るものでした。この地域に伝わる独特のもので、昔から皆さんで守ってこられたんだなあと伝統を感じます。

 

正面の道路からはこのようにフラットに入ることができます。これまでは道路からかなり下がっていましたが、平坦で歩きやすく安全になりました。道路から段差もありませんので、車椅子の方や、足元が心配な方も安心してお参りに来てもらうことができます。

 

正面右奥のお百度石の隣りには、古い鳥居の柱に刻まれていた文字部分を切り取って、このように設置しました。新しい鳥居の柱と比べると、かつての鳥居がどんな大きさだったか分かります。

 

左右の柱の「奉納」の文字の下には寄進された方のお名前が彫ってあったので、氏子の皆様が残したいとご希望でした。地域の皆さんで大切に守ってこられた神社の歴史を、こうした形で残すことができました。

 

立派な鳥居が完成して、神社の皆様にはとても喜んでいただけました。自治会長様と総代様にお会いした際は、ご自分のところで獲れたかぼすをお土産にいただいたりと、お世話になりました^^ ありがとうございます!

この神社の裏手には権現山古墳という古墳があって、今も散策に来る方がいらっしゃいますが、私も子どものころ、よく遊びにいっていたことを覚えています。実は貴重なものが出土したりしている歴史的にも価値のある古墳なのですが、当時は古墳だということを知らず^^; 大きな岩やほら穴があって楽しい山の遊び場で、自転車に乗って遊びに行っていた懐かしい場所でもあります。大人になって見るとずいぶん小さく見えた鳥居の工事も、日々遊びに来ていた子どものころを懐かしく思いながら作業させていただきました。

このたびは、石工事と玉垣の新調に続いてお声かけくださって本当にありがとうございました。自治会長様や総代様はじめ、氏子の皆様もこうした大きな改修工事を無事成し遂げられてホッとされていることと思います。今回こうした機会をいただいて、思い入れのある場所の鳥居や玉垣の工事ができたことは、私にとってもとても感慨深いものがありました。お手伝いできましたことをありがたく思っております。