相生市制施行80周年記念事業の顕彰碑を建立。相生市にて

姫路市・たつの市・太子町・相生市を中心にお仕事をさせていただいています、八田(はった)石材の八田俊之です。相生市にて、相生市制施行80周年記念事業 顕彰碑を建立させていただきましたので、ご紹介いたします!

 

相生市制施行80周年記念事業 顕彰碑

 

今回建立した顕彰碑は、兵庫県立姫路東高等学校の卒業生、高島俊男先生の功績を残すものです。姫路のお隣、相生市出身の中国文学研究者である高島先生は、『週刊文春』で連載されたエッセイストでもあるという少し変わった経歴をお持ちの方で、2年前にお亡くなりになりました。

私は先生と同じ姫路東高校出身で、その同窓会である東生会の役をしているのですが、2年前に先生が亡くなられてから、「何かの形で先生の功績を後世に伝えたい」という話が出ていました。先生が相生市ご出身だったことから相生市へ相談したところ、市政施行80周年の記念事業とあわせて、共同で顕彰碑を建立することになりました。この一年記念事業を行ってきて、最後の事業がこの顕彰碑建立でした。

 

こちらは、相生市から提供していただいた設置場所です。相生駅前の公園の一角で、とても良い場所です。相生駅は新幹線も止まる駅ですから、たくさんの人の目に留まる場所でもあります。

 

貴重な「醍醐の桜」が植えられている場所でしたが、桜は公園内で植え替えが可能なので、この場所を提供いただくことになりました。

 

相生市が造園屋さんへ依頼されて桜の植え替えが終わり、記念碑の設置場所が確保されました。いよいよ設置工事が始まります!

 

こちらは最終的な記念碑の図面です。色々な案があったのですが、たくさんの著書を残された先生なので、石碑部分は本の形にすることになりました。また、右上にお顔のお写真を入れて、お弟子さんが書かれた先生の言葉と、先生の略歴・著書を彫刻します。

 

基礎工事から開始です。もともと桜が植わっていた場所なので、通常よりも深く掘り下げて地固めして鉄筋を組みました。

 

鉄筋を組んだところにコンクリートを流し込んで、しばらく養生して基礎が完成します。

 

設置当日です。当社の工場から、加工を終えた石を詰め込んできました。

 

公園内はトラックを停めることができたので、これからクレーンで台座部分を吊り上げて設置していきます。

 

慎重に基礎の上に下ろして、台座を据え付けました。この台座部分だけでも、2.5トンの重さがあります! 万が一ぶつかって石が欠けることがないように気を付けるのはもちろんですが、基礎の中心に台座がくるように、きちんと水平になるように注意して設置します。今回は非常に完成度の高い、状態の良い基礎が出来上がっていたので、設置もスムーズでした。このあと、下の方をしっかりコンクリートで固めて周りを整地し、上に設置する記念碑部分が完成するのを待ちます。

 

記念碑部分が仕上がって、後日設置工事を行いました。彫刻の内容もギリギリまで皆さんで考えた結果、記念式典の前日の設置になりました。こちらも2トンほどの重さがあります。高さは1m50cmで、段差の上に設置されているため、男性の身長と変わらないくらいの高さです。特許技術の免震施工で、しっかりと据え付けます。

 

目地を打って、全体を拭き上げて完成です!

 

記念碑部分です。開いた本の形になっています。お写真は、黒御影石に「陰彫り」という方法で彫刻しています。読売新聞社撮影のお写真を、許可をいただいて使用しました。本当のお写真のように見えますが、彫刻した部分が白くなっていて陰影を表現しています。石に直接彫刻しているため、半永久的に残ります。その下には、「人とはちがふ道を歩く」という先生のお言葉を、先生のお弟子さんである大学の先生が書かれたものを彫刻しています。「ちが”ふ”」という表記や、「歩く」という字に右側の点がないというところは、こだわりの点です。

 

台座部分は、「相生市政施行80周年記念事業」という文言と、相生市長谷口様、東生会会長増田様のお名前等を彫刻しました。

 

翌日、とても良いお天気のもと、顕彰碑建立の式典が行われました。こちらでは除幕式の準備をしているところです。相生市が看板も用意してくれました。

 

式次第も準備されました。私も含め、東生会関係者も参加させていただきました。

 

建立式は、公園の横にある会館で行われました。相生市長様はじめ、相生市議会議員の皆様、相生市関係者の方々、東生会関係者など、あわせて約100人ほどが集まり、盛大な式典になりました。

 

式典のあと、公園で除幕式となりました。除幕のあとには、「人とはちがふ道を歩く」を書かれた先生が挨拶をされ、言葉の意味や先生のことをお話くださいました。

 

相生市長様、市会議員の皆様での記念撮影です。地元の神戸新聞の紙面にも取り上げていただきました。

 

完成した記念碑をご覧になった方々には、「想像以上に立派なものができた」ととても喜んでいただけました。今回は、相生市政80周年の記念事業として、母校出身の先輩の記念碑を建立するという、とても貴重な経験をさせていただきました。私ども石材店の仕事は、形として残るものを作らせていただく仕事です。その中でも、ずっと先の後世まで、たくさんの人の目に留まるような立派な石碑の建立に携わらせていただくことができ、とても嬉しく、誇らしく感じました。ご協力・ご尽力いただきました皆様に、改めて御礼申し上げます。